スイング練習

ゴルフのダフリの原因と直し方|アイアンで手前を叩く理由と改善方法

2026.08.28

ゴルフでダフリが続き、アイアンでボールの手前を叩いてしまう方へ。ダフリには、体重の残り方やスイングの最下点、ボール位置など複数の原因があります。この記事では、ダフリの主な原因と直し方、セルフチェックや改善ドリルを初心者向けに分かりやすく解説します。

ダフリとは?ボールの手前を叩いてしまうミス

アイアンを打った瞬間、「ドスン」と鈍い音がする。芝や土は大きく飛んだのに、肝心のボールは少ししか前へ進まない。これが、いわゆる「ダフリ」です。

ダフリとは、クラブヘッドがボールに当たる前にボールより手前の地面へ当たってしまうミスのこと。少し手前に当たっただけなら、そのままボールまでヘッドが届くこともあります。しかし、地面に深く入るほどヘッドの勢いが失われ、飛距離を大きくロスします。アプローチで「ザックリ」として、ボールがほとんど前へ進まなかった経験がある方もいるでしょう。一度ダフると、次は地面を叩くのが怖くなります。

そこで、今度は体を起こして打つ。すると、ボールの上側を叩く「トップ」が出る。ダフリとトップを交互に繰り返してしまう方は少なくありません。まず知っておきたいのは、ダフリを直すポイントは「地面に当てないこと」ではないということです。

ダフリが起こる仕組み|ポイントはクラブの「最下点」

ダフリの原因を理解するときに覚えておきたいのが最下点です。ゴルフスイングでは、クラブヘッドが円を描くように動きます。その円のなかで、クラブヘッドが最も低くなる場所が最下点です。

アイアンショットでは、ボールに当たってからクラブヘッドがさらに下へ動き、その先で最下点を迎えるのが基本になります。

ツアープロのコーチ経験もあり、PGA Official TCP-Aライセンスを持つ柳橋章徳コーチは、アイアンショットの最下点について次のように解説しています。

「アイアンではボールの先が最下点になります。」

引用元:ダフりやトップを出さないための効果的な練習方法は?【柳橋章徳プロコーチに学ぶゴルフ用語あれこれ】|みんなのゴルフダイジェスト

ダフリを直そうとすると、「右肩を下げない」「もっと上から打つ」「頭を動かさない」と、スイングの形ばかり気にしてしまいがちです。でも本当に確認したいのは、クラブが地面のどこに落ちているか。まずは「ボールより先に最下点を作る」という目的を知っておくと、改善ポイントを整理しやすくなります。

ダフリが出る5つの主な原因

ダフっているときに起きている現象は、クラブの最下点がボールより手前に来ていること。ただし、最下点が手前になる理由は人によって違います。代表的な5つの原因を見ていきましょう。

原因1.インパクトで右足に体重が残っている

ボールを打つ瞬間になっても体重が右足側へ残っている。初心者によく見られるダフリのパターンです。

バックスイングでは右足側へ体重が乗り、ダウンスイングからインパクトへ向かうなかで左足側へ体重が移っていきます。ところが、体が右側に残ったままクラブを振ると、クラブの最下点もボールより手前になりやすくなります。

岸部華子コーチが指導するレッスンでは、アマチュアに見られるダフリの原因について、次のように説明されています。

「右足に体重を残したままボールを打ちにいってしまうことで、ダフってしまうことが多いです。」

引用元:ボール手前の地面を叩いちゃう“ダフリ”には「左足一本打ちドリル」が効く【岸部華子の“超”やさしい初心者ゴルフレッスン】|ALBA Net

【チェックポイント】

打ち終わったあと、そのまま3秒ほどフィニッシュを取ってみましょう。右足に体重が残っている。右足の裏が地面にべったりついている。後ろへ倒れそうになる。こうした状態なら、インパクトまで右側へ残っている可能性があります。

原因2.ボールを上げようとしてすくい打ちになっている

目の前には、地面に置かれたボールがあります。初心者ほど、「ボールの下にクラブを入れたい」「下から持ち上げれば高く飛ぶはず」と思いやすいものです。

しかし、アイアンにはもともとボールを上げるためのロフトがついています。自分でボールを持ち上げようとすると、クラブヘッドがボールより手前へ落ち、ダフリにつながることがあります。

宮里藍プロらを育てたコーチの宮里優氏は、ダフリに悩むゴルファーがボールの下へヘッドを入れようとすることについて、次のように説明されています。

「そもそも、ボールの下にきっちりヘッドを入れようとすること自体が間違いなんです」

引用元:アイアンでダフる人必見! フェースのどこで打とうとしているか? 大事なのはスコアライン下3本のみ|ALBA Net

【チェックポイント】

「高い球を打とう」としたときほどダフる。アプローチでボールを持ち上げようとするとザックリする。インパクトで右肩が大きく下がる。こんな方は、すくい打ちを疑ってみましょう。

原因3.バックスイングで体が右へ流れている

「しっかり体重移動しよう」

そう考えるあまり、バックスイングで体ごと右へ動いてしまうことがあります。これが「スエー」と呼ばれる動きです。

体を回すのではなく、頭や上半身まで右方向へ大きく移動すると、ダウンスイングで元の位置へ戻す動きが必要になります。

インパクトまでに戻りきれなければ、体もクラブの最下点も右側へ残りやすくなります。

PGAティーチングプロB級の巣山新太郎コーチは、テークバックで右方向への重心移動が大きすぎると、インパクトまでに戻しきれず、体の右サイドでリリースが起こり、最下点がボールの手前になると解説しています。そのうえで、改善のポイントを次のようにまとめています。

「頭を残そうとしすぎずに しっかり左に乗って打とう」

引用元:【ゴルフジム】「長いアイアンがダフりやすい。頭を右に残すことを意識しているのですが…」|Myゴルフダイジェスト

【チェックポイント】

スマートフォンを正面に置いて、自分のスイングを撮影してみましょう。バックスイングしたときに、頭や胸が大きく右へ移動していないでしょうか。

「回転している」のか。

「右へ動いている」のか。

動画にすると、自分が思っていた動きとの違いが見えてくることがあります。

原因4.ボール位置が自分の最下点と合っていない 

スイングばかり疑ってしまいますが、打つ前の構えが原因になっていることもあります。たとえば、いつもよりボールが左側にある。スタンスの幅が広くなっている。体が右へ傾いた状態で構えている。こうした違いがあれば、クラブと地面が接触する場所も変わります。

とくに初心者は、練習しているうちにボール位置が少しずつ変わりがちです。

一球ダフった。

そこでボールを少し右へ移す。

また当たらない。

今度はさらに右へ。

これを繰り返すと、スイングが悪いのか、ボール位置が悪いのか、自分でも分からなくなってしまいます。

【チェックポイント】

練習場のマットやクラブなどを目印にして、毎回同じ位置へボールを置いてみましょう。

「ダフったから位置を変える」のではなく、まず同じアドレスで何球か打って傾向を見ることが大切です。

原因5.練習場ではダフリに気づいていない

「練習場ではちゃんと当たる。でもコースへ行くとダフる」そんな方もいるでしょう。原因のひとつとして考えられるのが、練習場の人工芝です。

人工芝のマットでは、クラブが多少ボールの手前へ入ってもソールがマットの上を滑ります。そのままヘッドがボールまで届くため、一見するとナイスショットのような球が出ることもあります。

吉本巧プロの解説では、練習場の人工芝はクラブが多少ボールの手前に入ってもソールが滑り、そのままボールまで届くことがあるとされています。

ボールへ先にコンタクトできた場合は「カツン」、マットへ先に当たった場合は「ドスン」という音になるため、インパクト音もひとつのチェックポイントになります。
引用元:
練習マットで“ダフる”打ち方していませんか? 打点が劇的に変わる“ややトップ”練習法|ゴルフのニュース

練習場では、ボールが飛んだ方向だけを見るのではなく、「カツン」とボールへ先に当たったのか、「ドスン」とマットへ先に当たったのか。

インパクトの音にも注目してみましょう。

自分がダフる原因をセルフチェックしてみよう

ダフリの原因を全部一度に直そうとすると、かえってスイングが分からなくなります。まずは、自分がどのタイプに近いのか確認してみましょう。

・フィニッシュでも右足に体重が残っている
→ 右足体重タイプの可能性

・ボールを高く上げようとしたときにダフりやすい
→ すくい打ちタイプの可能性

・バックスイングで頭や上半身が大きく右へ動く
→ スエータイプの可能性

・日によってボール位置やスタンス幅が変わる
→ アドレスタイプの可能性

・練習場では打てるのに芝から打つとダフる
→ マットでダフリに気づいていない可能性

原因別|ダフリの直し方

原因が見えてきたら、次は直し方です。大切なのは、5つすべてを同時に試さないこと。自分に当てはまりそうなものを、ひとつずつ確認していきましょう。

右足に体重が残る人は「左足で立てるフィニッシュ」を作る

ダフリを直そうとして、「インパクトで左へ体重を移そう」と考えると、動きが忙しくなります。初心者ならもう少し先のフィニッシュを意識するほうがシンプルです。

打ち終わったときに左足側で無理なく立てる。右足のかかとが自然に上がっている。まずはそんなフィニッシュを目指して振ってみましょう。

ただし、左へ乗ろうとして腰だけを強く横へ動かすのは注意が必要です。上半身が右側へ残れば、クラブの最下点は手前のままになることがあります。

すくい打ちの人は「ボールを上げない」

アイアンでボールが上がるのは、クラブにロフトがついているからです。自分の手ですくい上げる必要はありません。

まずはウェッジやショートアイアンを持って、「低い球を打つくらいでいい」という気持ちで小さく振ってみましょう。ボールの下へクラブを潜り込ませるのではなく、ボールへ直接ヘッドを当て、その先へクラブを抜いていきます。意外と低く打ったつもりでも、ボールはきちんと上がります。その感覚が分かると、「自分で上げなければ」という動きも少しずつ減っていきます。

スエーする人はフルスイングを一度やめる

体が右へ流れる人は、まず振り幅を小さくします。腰から腰くらいのハーフスイングで十分です。飛距離は気にしません。頭や胸をその場へ固定するのではなく、左右へ大きく流れない範囲で体を回します。大きく振ってナイスショットを狙うより、まずは小さく振って、同じ場所へクラブを落とせる回数を増やす。 ダフリ改善ではそのほうが大きな前進です。

ボール位置が安定しない人は毎回同じルーティンで構える

ボール位置が原因かどうか調べるには、アドレスを毎回同じにする必要があります。

フェースを目標へ向ける。

ボール位置を決める。

そのあと足を広げる。

この順番を毎回そろえてみましょう。

一球ごとにボール位置を変えてしまうと、何が改善につながったのか分からなくなります。少なくとも10球程度は、同じ構えで結果を見るのがおすすめです。

ダフリ改善で気を付けたいこと

最後に、ダフリを直そうとするときに気を付けたいポイントを2つ紹介します。

「もっと上から打つ」だけで直そうとしない

ダフった。

だからもっと上から打とう。

この修正は、やりすぎるとクラブが地面へ深く刺さる原因になります。

ダフリ改善の目的は、強く地面を叩くことではありません。

最初にボールへコンタクトし、そのあとクラブが地面へ触れる状態を作ることです。

吉本巧プロも、練習マットでのダフリ対策について、ヘッドを強く上から入れるのではなく、緩やかな入射角でインパクトへ向かうことをポイントとして挙げています。

「ダウンブロー=上から地面へ打ち込む」

と考えすぎないようにしましょう。

「頭を残す」をやりすぎない

ゴルフでは、「頭を残して打つ」「ヘッドアップしない」とよく言われます。

もちろん、インパクト前に体が大きく目標方向へ突っ込むのも問題です。

ただし、「頭を絶対に右へ残す」と考えすぎると、上半身が右へ傾き、右サイドが下がる場合があります。

巣山新太郎コーチが指導したケースでも、頭を残す意識が強すぎたことで右サイドが下がり、最下点がボールの手前になっていました。

「それが少しやりすぎになっているんですね。」

引用元:【ゴルフジム】「長いアイアンがダフりやすい。頭を右に残すことを意識しているのですが…」|Myゴルフダイジェスト

形をひとつ固定するより、「フィニッシュまでバランスよく振れるか」を確認してみてください。

いっぺんに原因を全部直そうとしないことが大切

右足に体重が残る。

すくい打ちになっている。

スエーしている。

ボール位置も気になる。

自分が打っている動画を見ると、直したいところがいくつも見つかるかもしれません。でも、一球のなかで全部を意識するのは難しいものです。ひとつ試す。そして変化を見る。変わらなければ、次を試してみる。原因を切り分けながら練習したほうが、「何をしたら良くなったのか」が分かります。ダフリをなくそうとするより、まずはクラブが地面へ触れる位置を少しずつそろえていく。練習場で飛んだボールだけではなく、その一球でクラブが「どこに落ちたか」も見てみてください。